物流 × DX
“誰でもできる”“見える”仕組みから先進的な物流DXを実現。
導入 :telesa-delivery
取材先 :大塚倉庫株式会社 東京支店首都圏中央センター
取扱商品:医薬品、飲料、食品
今回は、”誰でもできる””見える”仕組みから先進的な物流DXを実現された大塚倉庫株式会社 東京支店首都圏中央センター 遠藤 大様にお話をお伺いしました。
Q:大塚倉庫様の会社概要を教えてください。
遠藤様:大塚倉庫株式会社は創業以来、一貫して医薬品・食品の物流を中心に事業展開を行っています。大塚グループの医薬品、飲料・食品、日用品の3分野に特化した共通プラットフォームを構築し、外部メーカーとの共同物流により、最適なロジスティクスの提供を推進。近年では、ITを駆使したコネクティッド・ロジスティクスを実現し、物流の革新に挑戦しています。
配送業務や倉庫業務にITを取り入れることで物流品質の向上を図っており、東京支店は南関東を中心に配送している同社最大規模の拠点となります。
とにかく煩雑な伝票作業をデジタルの力で解放したかった。
Q:telesa-delivery導入前の課題を教えてください。
遠藤様:大塚倉庫は会社の芯までデジタル化の目標に沿って、ペーパーレス、デジタル化を積極的に推進しております。その中でも首都圏中央センターは、伝票の種類が非常に多く、まず医薬品、飲料、食品のカテゴリーで用紙サイズ、複写枚数が異なるのは勿論のこと、同じ荷主でも工場毎、アイテム毎によっても種類が異なるケースも多くありました。そのため伝票だけで事務員4名が平均毎日2時間の作業を行っておりました。
Q:他の課題もありましたか。
遠藤様:更に伝票仕分け以外にも、荷主によっては伝票をPDF化して関係者に連絡するケースや、在庫システムに伝票内容の再入力作業や、伝票記載の数量と入庫データが相違している際の対応が異なるなど、荷主毎、アイテム毎に作業が異なり専任の担当者が必要でした。そうした属人化した業務をデジタル化で平準化したかったという想いがありました。
少子高齢化を見据えてデジタルの力で働き方改革を行いたかった。
Q:telesa-delivery導入の経緯と決め手をお教えください。
遠藤様:会社の方針であるペーパーレスとtelesa-deliveryのコンセプトがマッチしたのが決め手の一つです。導入前までは事務所の事務員が伝票の作業を行い、入出荷現場は事務所と1伝票ごとに都度連携しながら業務を完了させていましたが、telesa-deliveryを導入したら現場と事務所の報連相に時間がかかっていた部分をすべて現場完結型で行うことができるようになると思ったからです。
Q:類似サービスとの比較検討はありましたか。
遠藤様:大塚倉庫の会社方針とマッチする類似サービスは、今も昔もなかったので比較検討はしませんでした。ただし自社開発を検討しましたが、開発費用・開発時間・保守メンテナンス・他システムとの連携、発展性がないなどの理由で、すぐに検討対象からは外しました。
Q:telesa-deliveryを導入する際に貴社内部で課題・修正事項はありましたか。
遠藤様:大塚グループ内、外販荷主、協力運送会社へ大塚倉庫担当営業と連携してデジタル化によるメリットを1社ずつ説明させてもらいました。伝票様式が変更されることでの大きな反対はなく、むしろリアルタイムな情報連携を歓迎されました。
驚くほどの省人化と絞り出すドライバー運転時間
Q:telesa-delivery導入後の効果はいかがですか。
遠藤様:telesa-deliveryを導入すれば伝票が統一されて、伝票作業が簡素化されるのは想像しておりました。しかしながら実際に導入して運用したら、2年前まで首都圏中央センターの事務所には大勢の社員が働いておりましたが、telesa-deliveryを導入したことで、情報が連携・可視化され、その他様々な業務効率化もあり、今では事務所には<5分の1の人員>しかおりません。
遠藤様:現場で伝票作業が完結されることで、いままで事務所へ受領完了のハンコをもらいにいく移動時間・伝票再確認時間などが削減され、約10分/車は効率化されました。首都圏中央センターは1日80台のトラックが入退場しており、伝票がデジタル化されたことで、センター全体で延べ800分/日の運転時間を捻出することが可能となりました。
・思わぬ波及効果、どんなドライバーが来場してもスムーズな積み込み
遠藤様:首都圏中央センターには多い日で1日80台以上のトラックが入場します。物流あるあるだと思いますが、繁忙期などは配車依頼元の車両だけではカバーできないため、庸車や、さらにその下請けの車両を手配することになり、来場したドライバーは、ただ会社から指示されて来場した、という方が多数いました。積み込む荷物もわからない、納品先もわからないなど、倉庫担当として憶測で商品を積み込むわけにはいかないため、関係者に確認するのに1日1~2時間はロスしていました。
遠藤様:今では現場で確定された最終の伝票情報をすべて確認することができるため、問い合わせせずとも現場完結で出荷作業を行うことが可能となりました。これによりドライバーを待たせない、出荷も滞らない、無駄な問い合わせもなくなり、まさに三方よしとなりました。
物流2024年問題解決のためには・・・
Q:システム・機能等でのご要望など、些細なことでも結構ですのでお教えください。
遠藤様:検品時や受領時の視覚的な識別があればもっといいです。どこまでチェックしたかわからなくなってしまう時があります。また外装破損時などに写真を添付する機能があったら、事故報告書などを別に起票しなくても、リアルタイムで関係者に詳細を報告できると思っています。
Q:貴社が取り組んでいる物流改善がありましたらお教えください。
遠藤様:大塚倉庫は、安定供給を最大の使命とした物流の基盤を担保する「コネクティッド物流」を提唱しています。
【大塚倉庫のコネクティッド物流とは・・・】
1. 物流を止めないこと。
2. 物流が止まる前に知らせること。
3. 物流が止まったら、すぐ復旧させること。
常に「ムリ・ムダ・ムラ」を解消するように物流改善を行っており、今後も、センターの施錠管理、温度管理、フォークのメンテナンス管理などが一括でできるアプリを導入して、更なる省人化を進めていきます。
Q:今後TSUNAGUTEに期待することがありましたらお教えください。
遠藤様:近い将来、無人化が進みロボティクス化も加速度的に進むものと思われます。365日、24時間安定的に物流を動かすには、夜間のロボット化は必然となります。伝票がデジタル化されましたので、入出庫の伝票情報とロボットが連携して動くことで、人が受領しなくても自動で対応できるまでになってくれたら、物流2024年問題も解決するのではと期待しています。
以上