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2024.05.14 お知らせ

経済産業省委託の実証実験で北海道の物流効率化に貢献

納品伝票電子化と共同輸送ルート分析による業界の効率化に貢献

当社は、経済産業省の委託事業「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(物流情報の電子化・データ連携促進)」を受託し、北海道において、協力企業17社(メーカー5社、物流会社6社、卸売会社・小売会社6社)、日本パレットレンタル株式会社(以下JPR)とアドバイザーに北海商科大学商学科の相浦宣徳教授を迎え、「納品伝票電子化」ならびに「物流データを活用した共同輸配送ルート分析」の実証実験を行いました。

  1. 背景
    フィジカルインターネットの実現に向けては、荷主・物流事業者間の連携・協調を可能とするためにも、物流に関する情報を電子化し、物流EDIを通じたデータ連携を進めていくことが不可欠です。現在、多くの物流情報は紙伝票として運用・保管されており、最適化を進める上での障害となっています。そこで、物流課題の顕著な北海道を実証実験の場として選定し、物流情報の電子化・データ連携の取組を実装することで、物流オペレーションにもたらす効果・知見を整理しました。
  2. 概要
    本事業においては、下記2点の実証実験を実施しました。

    ・「納品伝票のデータ連携」「納品伝票の電子化」による物流業務省力化への寄与の実証
    発拠点となるメーカー・3PL・運送会社、着拠点となる卸売・小売りのセンター等への物流において、納品部分をスコープとし、納品時に「納品伝票のデータ連携」「納品伝票の電子化」が実現した際の時間を測定して紙伝票との差を明らかにしました。また、「納品伝票のデータ連携」においては、SIP基盤通じて異なるシステム同士の連携がシームレスに行われるかを確認しました。

    ・シミュレーションツールを用いて共同配送の可能性あるルートの分析
    共同輸送の可能性探索は実証実験で扱うルートのみでのマッチングと、日本パレットレンタル株式会社(以下JPR)の北海道内パレット移動情報(パレットの回収とJPRデポ間の在庫の融通に関するデータのみ)、貨物鉄道の時刻表からのルートを追加してルート分析を実施しました。

    ①発拠点にて登録された電子伝票のデータが着拠点で問題なく受領ができることを検証。
    ②発拠点にて登録されたDD Plus(ディーディープラス)の電子伝票のデータがSIP基盤を通して着拠点のtelesa-delivery(テレサデリバリー)にデータ連携できるかを検証。また、SIP基盤を介しても問題なく伝票の受領ができ受領結果も発拠点に連携出来ること、および作業に大きな変化がないことを検証。
    ③発着の移動データをTranOpt(トランオプト)に取り込み、共同輸送の可能性があるルートの組み合わせをシミュレーション。

    ※DDPlusは納品伝票を電子化し、発着荷主や入出荷拠点間でのデータ共有を実現するクラウドサービス。(JPRの提供サービス)
    ※telesa-deliveryは伝票情報をキーに物流情報を共有化できるクラウドサービス。(株式会社TSUNAGUTEの提供サービス)
    ※TranOptは多数の企業の輸送経路などをデータベース化し、膨大な物流データからAIによって業界を跨いだ荷主企業同士をマッチングすることで、共同輸送を可能にするサービス。(JPRの提供サービス)

  3. 委託事業の成果
    委託事業を通じて、下記4点について成果が確認できました。

    ①1納品先につき5~12分の時間削減
    1納品に対して、伝票仕分け・伝票照合において、5~12分の時間削減効果が見られた。1日の処理頻度にもよりますが、伝票電子化は現場の負担削減が期待できます。

    ②SIP基盤利用による現場の負担増加なし
    SIP基盤を経由することで、異なる2つの物流EDIサービスにおいて、明細情報レベルのデータ連携が問題なく実現され、現場への負担も増えることはありませんでした。

    ③幅広い納品データ連携によるメリット
    納品データ連携を伝票電子化への活用に留めず基幹システムと連携することによって納品伝票関連作業の大幅な削減が削減が期待できます。また、データ連携をASNやノー検品まで拡大することによって、更なる業務の効率化につながる可能性が期待できます。

    発側拠点の納品伝票関連業務の削減効果試算

    着側拠点の納品伝票関連業務の削減効果試算

    ASN・ノー検品による削減効果試算

    ※1 ノー検品
    本画像におけるノー検品とは、着側へ商品のパレット積み付け情報を連携。さらに発側のロケーションごとに発側で格納ラベルを発行して貼付け、ロケ別に仕分けをすることで、検品作業の一切を不要とすることを指します。この場合、個数のカウントと同時に行っている外装チェックもなくした場合の効果です。
    ※2 ASN
    本画像におけるASNとは、賞味期限情報を含めた事前出荷情報を着側に連携し、着側のシステムに賞味期限情報を取り込むことで、ロット情報の入力が不要とすることを指します。

    ④データ分析によって11,825件の共同輸送の可能性があるルートを確認
    電子伝票データから158組の可能性があるルートが確認できました。さらに電子伝票データにパレット移動情報と鉄道貨物のルート情報を加えることで、11,825件の共同輸送の可能性があるルートまで拡大することが確認できました。より多くのデータが集まることで、データを活用した共同輸送の可能性がさらに高まることが期待できます。

    データ分析による共同輸送ルート探索結果とデータ増による広がり
  4. 委託事業を通じた今後の展望
    物流はいまだ紙が主役であり、大手メーカーや物流企業では、納品伝票だけで年間300~500万枚が利用されていることも珍しくありません。人手不足が深刻化する物流業界では、煩雑な紙の管理による作業負荷は徐々に悪影響を及ぼしています。
    当社は、本委託事業での知見を活かしたサービスを通して「情報の統一化」「データ共有」「データ利活用」を進め、全体最適運用のための標準化・共用化サービスに寄与し、物流DXを実現、持続可能な物流の未来に貢献します。